『必ず覚える!1分間アウトプット勉強法』齋藤孝著(PHP新書)

必ず覚える!1分間アウトプット勉強法 (PHP新書)

必ず覚える!1分間アウトプット勉強法 (PHP新書)


今回から書評の体裁を変えてみました。とはいっても書評を書くのはまだ2回目ですが。以前は星マークで5段階評価をしていたのですが、読む人・時・場所によって評価の基準が変わる恐れがあるので、止めにしました。基本的に本の批判はせずに、本のざっくりとした内容と、ポイント、得たことなどを書き連ねていこうと思います。これから思考錯誤して書評の内容をブラッシュアップしていこうと考えているので、以後お楽しみを。


目次

はじめに 勉強に「革命」を起こそう
第1章 アウトプットがなければ勉強ではない
第2章 「世界史」をアウトプットする―基本編
第3章 「法律」をアウトプットする―図解化編
第4章 「英語」をアウトプットする―語学編
第5章 「グラフ」をアウトプットする―数値編
第6章 一〇秒アウトプット
第7章 アウトプットが意欲を高める
第8章 視点を得るために勉強する
おわりに 「勉強=実践」の回路を身につける


今回のマインドマップはこんな感じです。

f:id:WHITE-KNIGHT:20110226185232j:image

もっと簡潔に要点を絞ってまとめたかったんですが、マインドマップ初心者なのであれもこれも欲張っちゃいました。

まず、一言でこの本の内容を表すとすれば、「アウトプットのノウハウ教授本」です。齋藤孝先生の本はあたりはずれがあるので本書を読む予定はなかったのですが、私が毎日チェックしている書評ブロガーさんがおすすめしていたので、アマゾンで即買いしてしまいました。読んだ感想から言うと、買って正解でした。この本は友人にもぜひおすすめしたい本です。


本書のポイント、エッセンスはマインドマップにもあるように、5点あります。

  1. アウトプットの方法
  2. 英語をアウトプットする方法
  3. 目次を拾う
  4. 2秒・10秒ルール
  5. 勉強のやる気はアウトプットで引き出す


●アウトプットの方法
まず、インプットをする際に、必ず自分なりの問いを立てるようにします。それも、「なぜ〜なのか?」という答えやすく本質的なことを問う問いが望ましいです。ここでいうインプットとは自分で問いを立てて、その答えを探してまとめる能動的な作業なので、ぼんやり情報を得るときとは違って、得た情報をついついアウトプットしたくなりますよね。次に、本書で提唱されているアウトプットの仕組みなんですが、まず7分間で3色ボールペンを使って文章を読み込みます。その次に、ペンで囲んだキーワードとなる語句を3つ抽出して、2分間でアウトプットメモとしてまとめます。ここで川のフォーマットという大事な概念があるんですが、説明は本書に譲りたいと思います。最後に、1分間でアウトプットメモにまとめた内容を自分で説明してみます。ここでつまずいたりしたら、どこが悪かったのか反省して、もう一度同じ箇所を口頭でアウトプットしてみます。

●2秒・10秒ルール
これは相手が「〜とはどういうことか?」と尋ねてきた場合に、2秒以上間をおかず、10秒で内容を説明するというルールです。思考の瞬発力を鍛える素晴らしい訓練ですよね。相手の問いに対して、10秒という非常に短い時間で答えを説明しなければならないので、余計なことを話すことはできないし、より物事の本質に迫ったスリムな回答ができますね。たとえ相手がいなくとも、自分自身で問いを発して、簡潔にアウトプットできるか試してみるのも面白いと思います。

残りの3点については、マインドマップをご覧ください。


【感想】
本書に書かれている内容はすぐ実行できるものばかりなので、早速普段の生活に取り入れてみようと思います。私みたいに口頭で説明することが苦手な人、インプットした情報をどうアウトプットすればいいのかわからないと悩んでいる人、情報洪水に飲み込まれている人には満足していただける内容になっていると思います。最近私が情報に対して持っている考えがあるんですが、アウトプットする機会がない情報というのは人間の判断を遅らせたり、判断を複雑化させる負債、単なるゴミでしかないと思っています。人間がコンピュータよりも勝っているのは、情報の組み合わせを通じて新しい考えを生み出すことができる点にあるのではないでしょうか。つまり、単に情報を詰め込むだけならコンピュータに任せてしまえばいいのです。目的を持ってインプットした情報を常に吐き出し、単なる情報を知恵に変えていきましょう。そして、その知恵同士を結び付け、自分独自の考えやオリジナリティーな個性、ぶれない軸をこれから作っていきましょう。最後にアウトプットに対する私なりの考えを披露したいと思います。インプットした情報をワインのように熟成させ、その機を待ってからアウトプットすればいいじゃんと思う人も中にはいると思うんですが、今日のような情報のシャワーを浴び続ける現代社会において、そのような考えはあり得ないと思っています。ある程度入ってくる情報が限られていれば話は別ですが(ワインのように適度な室温に保たれた暗室で、頑丈な樽の中で保存されている場合を思い浮かべてみると良い)、自分が望んでいなくても情報は次から次へと頭の中に入ってくるので、寝かせようと思っていた情報が隅に追いやられてしまって、遅かれ早かれそれは忘却の彼方へ旅立ってしまうのではないでしょうか。記憶しておきたい大事な情報は、意識的にアウトプットしておきたいものです。

必ず覚える!1分間アウトプット勉強法 (PHP新書)