ミツバチの個体数が減少すると

昨日の動物行動経済学は、今年の春まで天王寺動物園の園長だった宮下先生(現近畿大学教授)に来て頂いて、先生とともに天王寺動物園で過ごした動物の生い立ちを中心にお話を伺った。

イントロで、ミツバチの個体数が減少しているというトピックが取り上げられ、それが意味することを考えさせられた。アメリカで突然大量のミツバチがいなくなったという事実は知っていたが、それ以上思考を巡らせることはなかったので、答えを自分で考えた結果、驚くべきことが浮かび上がった。つまり、ミツバチの個体数の減少は、多くの農作物が実らないことを意味するのだ。植物の受粉にはミツバチの働きが大きな役割を担っているからである。ハウスで栽培されている果物の受粉には、ミツバチが欠かせない存在だとお聞きした。ミツバチがいなくなると、はちみつが取れなくなるといった単純な話ではないのだ。ミツバチがなぜ突然いなくなったのか、その原因は定かではないが、この事実はとんでもない危険をはらんでいる。このままミツバチの個体数が漸次的に減少していけば、人類の存亡の危機に関わってくるといっても過言ではない。早く原因が究明されることを望むばかりである。

その後、先生とともに過ごしたライオンとオランウータンのお話があった。ライオンが後ろ脚を骨折して先生が手術して治したお話から、オランウータンの出産秘話に至るまで今までに聞いたことがないような感動に満ちたお話をお聞きすることができた。その中で特に印象的だったのは、ある飼育員が、自分に小さな赤ん坊がいるにも関わらず、産後2ヶ月間オランウータンの赤ちゃんの世話を住み込みで行ったというお話である。「好きこそ物の上手なれ」という言葉が、ぱっと閃光を放ったように頭に浮かび上がった瞬間だった。就活生という自分の立場から物を言うと、「自分の好きを追求して、その好きなことを仕事にすることが、どれだけわくわくすることで幸せなことなんだろう。好きなことの選択肢が数多くあればあるほど、好きな仕事に就ける可能性が高くなり、充実感に満ちた人生を送れるな」ということである。今は自分の好きなことにフォーカスして、仕事でやりたいことを複数挙げられるように自問自答したい。ただ単に就職できればいいやみたいな、軸のないぶれた人間にだけはならないようにしよう。

日曜日には天王寺動物園に行って、たくさんの動物を観察してきます。良いお天気になりますように。